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欲情の作法


渡辺淳一
¥ 1,155 在庫あり。
★★★

欲情の作法
これはなぜか書店で手に取っているのは大人の男性ばかり、しかも、なんとなく恥ずかしげに手に取られているのが印象的。読んでみて衝撃?、あの渡辺淳一さんが恋愛マニュアルを書かれていたのか?という内容。求める性(男性)求められる性(女性)の根本的な違いを淡々と解説しながら、男性がふられるのはあたりまえのこと、女性が相手を選ぶのはたった一人を選ぶ行為できわめて慎重になる、そのように生物的にできていると解説される。だから男女双方とも相手の意思決定のメカニズムを理解しないといけないと書かれていた。 誘い方、誘われ方のマニュアルも文学者が書くと大変美しく、高尚な行為に見える。『男というもの』『夫というもの』に書かれたことを、テーマに合わせて整理し直ししただけにしか思えません。 その意味で新しい情報が得られないことが残念です。女性の気持ちとか考えず自分勝手な気がする内容でした。 私、かつては渡辺先生の大ファンでした。もっぱら、医学界が舞台になった小説にぞっこん。渡辺作品は、ことこまに表現してあるわけではないのに、「この男となら、堕ちるところまで堕ちても仕方がない」と思ってしまう男性がいっぱい登場してい...

鈍感力


渡辺淳一
¥ 1,155 在庫あり。
★★★

鈍感力
カナダの医学者セリエは、慢性の持続するストレスによって胃潰瘍が生じることを証明した。 セリエは、モルモットを暗くて狭いところに閉じ込め、絶えず棒などで突っつくなどの不安を与え続けた。 これを続けるうちにモルモットの消化器官に潰瘍ができた。 まったくすごい実験をやり遂げたもんだ。 まぁ、おかげでノーベル賞受賞となったわけだが。。。 ストレスを溜めない鈍感力が健康の秘訣というわけだ。著者は本書で敏感と鈍感で言い分けていますが、著者が言う鈍感とは鈍感すぎず敏感すぎずといった感じの意味なのでここでは中庸という言葉の方が合っているでしょう。 ただしその中庸さを得るための手段が本書には書いてなく、ただ素直であれ、叱咤を気にしないこと、何度も訓練することなど曖昧であり今までとは違った新たな実践的な方法などは何一つ記されていません。 また書いてある内容の殆どは、一般的な統計データを参考にしただけだったり、著者の知人が体験した数少ない症例から「自分は〜だと思う」と結論付けたりというような信憑性に欠ける話が盛りだくさん。 著者の考え方も自己中心的なところがちらほら見え、なんというか詰まらない本でした...

男というもの (中公文庫)


渡辺淳一
¥ 580 在庫あり。
★★★★

男というもの (中公文庫)
一般論的で平均的に男性をとらえすぎている。が、読んで参考になり、損は無い本だと思います。しかし、これをマニュアルに女性が男に対すると失敗することもあるのではないでしょうか。世に例外なきはないからです。 結婚について書かれた箇所があり、以下は私が感じたことです。 著者は『現代の結婚制度は時代の変化に対応しきれず、さまざまな歪みがでてきている』また『愛もないのに結婚生活を続けるより、本当に好きな人を正直に懸命に愛するほうが真の倫理にかない、人間として真実の姿なのではないか』としている。 これについては、男性をどう考えるかを云々するのは良いが、如何なものかと思いす。結婚生活には、第三者(子孫、両家の両親、縁者、友人)が関係し、社会と関わりをもって成り立っているのであるから。特に子供に対しての責任を放棄して、愛人の元に行ってしまうのは(渡辺氏著書『愛の流刑地』の主人公冬香のように)、ほとんどの動物もしないことなのではないでしょうか。著者は『人間は高度化した近代文明とは裏腹に所詮動物であり、他の生物と変わらぬ雄と雌なのである。本来生き物として持っているはずの雄と雌の命の輝きを、取り...

夫というもの (集英社文庫)


渡辺淳一
¥ 500 在庫あり。
★★★

夫というもの (集英社文庫)
夫が分らなくなったら読む本ではあるが、生物学的に男であるが故の問題なのか、文化的な点に依存する問題なのか、区別がされてないところがあるので丸のまま使えるわけではない。実際、渡辺氏が40代の頃なら当たり前の男性像を前提としているところがあるので。 黒川伊保子のシリーズの方が理解しやすいかも。なんとなく、夫に不満を抱くようになった女性が手に取ってみたくなる本じゃないでしょうか?(笑) 私は渡辺淳一デビューがこの本でした。小説だとやや重い気がしたので・・ 読んでみて、この方の人気が分かる気がしました。 夫というものを、浮気その他いろいろな面から嫌味がなく、優しい語り口調で書いていて、読みやすく、ときにはがははと笑いながら読みました。 夫、男の本質をついた内容はとても深く、さすがと思わせるものがありました。 浮気の章については読んでいて少々つらい部分もありましたが、救われる部分もちゃんと書かれています。 夫婦としてこれから長い人生をともにしていく中で、どのようにしたら楽しく過ごしていけるか・・ということに関しても、この本は役に立つのではないでしょうか。 この本の内容をしっかりと心にきざんで...

愛の流刑地〈上〉 (幻冬舎文庫)


渡辺淳一
¥ 680 在庫あり。
★★★★★

愛の流刑地〈上〉 (幻冬舎...
渡辺淳一の小説で初めて読んだ作品です。特に後半は、異性ながら菊治の心境が痛いほどよくわかり、涙が止まりませんでした。リアリティに富んだとても哀しいお話でした。「男が女を快くしないことは罪ですが、死にたくなるほど快くすることは、さらにさらに大きな罪なのです」 この一文が、『愛の流刑地』のテーマである。もちろん、だから女をあまり快くさせ過ぎるなと言っているのではない。むしろ、女を快くすることを軽視する世間の風潮への警鐘を鳴らしていると言ってよい。 セックス至上主義的な主張に、反感を感じる人も居るだろう。だが、菊治と冬香の濡れ場を繰り返し繰り返し描きながら、次第に女として開花していき、やがては死に引き付けられていく冬香の描写はさすがに凄い。前半の二人の逢瀬の描写の積み重ねが、対比として後半の菊治の孤独感を際立たせる。この筆力はさすがである。

渡辺淳一の性愛の技法を研究する


渡辺淳一研究会
¥ 1,575 在庫あり。

渡辺淳一の性愛の技法を研究...
・・・

愛の流刑地〈下〉 (幻冬舎文庫)


渡辺淳一
¥ 630 在庫あり。

愛の流刑地〈下〉 (幻冬舎...
・・・

造花の蜜


連城三紀彦
¥ 1,890 在庫あり。
★★★★

造花の蜜
普通のサラリーマンをやっていればよかった。 30を手前に年収600万円。 40を手前に目の前の3000万円は、人を信じて失った。 「得たモノ」。それは才能をさらに助長する香りとセンス(のつもり)。 給料日に「ああ、今月も30万円振り込まれていた」とどこか感謝し、 何の疑いも持たない己の人生を謳歌するアナタに最高の、 まさに最良のドライブ。 「ついていくといい」 陽のあたる世界に飲み明かした一瞬の朝だけさらけ出せる人種や 国籍を不明にし住居を持たない人種との邂逅が金を生み、金を溶かす。 ドロドロを知ると、さらさらに憧憬を抱く。 「ついていかないほうがいい」 この物語は、結局「乗せられてしまうんだ。悪は制裁に値するからね。警察をきちんと頼らなければいけない」。 「甘いんだよ。ハンドルは自分がにぎるんだ!!」 ・・・・・・とりかえしつかないんだ。 いい大人になって知らない人についていってしまうんだから・・・・・当初はありきたりな誘拐事件でなぜこんなに厚い本なのだろう?と思いながら読み進めるうち に、その裏でとんでもない事件がおきているとは全く読めませんでした。 常に裏切られる...

秘すれば花 (講談社文庫)


渡辺淳一
¥ 580 在庫あり。
★★★★★

秘すれば花 (講談社文庫)
「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず―。秘めるからこそ花になる。秘めねば花の価値は失せてしまう…。」とあるが、『風姿花伝』には「秘せずば」ではなく「秘せずは」とある。また、佐伯晶『秘曲』(表紙が少し似ている)の副題にも「秘スレバ花ナリ、秘セズハ花ナルベカラズ」とあり、「秘めるからこそ花になる。秘めないことは花ではない。」という現代語訳の方が正しいのではないか? 超高密度小説(本自体は大して厚くはないが…)『秘曲』は終始この謎の言葉に貫かれており、特にラストはこの言葉に作者自身が作った言葉が続いていて、余韻が残る。杉本苑子『華の碑文』、瀬戸内寂聴『秘花』と共に、これら四作を併読すれば趣があると思われる。 表題の言葉には、「隠されたところがあればこそ、花としての価値が生まれる」というすぐに分かりそうな意味に留まることなく、「普段は極力見せないようにしておいて、ここぞというときに開示することによって、大きな効果を引き出す」という戦略的な方法論としての意義が含まれる。この方法論は、「能」という一分野だけでなく、広く一般に有効な考え方である。本著には、そのように数百年前の「能」を通じて得ら...

戻り川心中 (光文社文庫)


連城三紀彦
¥ 560 在庫あり。
★★★★★

戻り川心中 (光文社文庫)
短編集ですが、全くはずれがありません。 まさに珠玉の言葉にふさわしい短編集です。 大正時代の空気をこれだけ再現してみせる力量には感服です。 連城三紀彦の入門者にもオススメします。 詳しい個々の内容については前の方が記載していますし、 ネタバレになるので書きませんが、 このシリーズは「夕萩心中」という本に引き継がれますので、 気に入った方はそちらもぜひ。 何度繰り返し読んでも飽きのこない、すばらしい本です。 花がモチーフの短編ミステリー集。 いずれも、大正末期から昭和初期が舞台だが、あまりに雰囲気が良く出ていて、 思わず作者の年齢を確認してしまった(今年還暦を迎えたばかり)。 よく考えたら、およそあり得ないプロットなのだが、 筆力で(それも自然に)読ませてしまう。 それと、いずれも動機が最大のポイントなのだが、ちゃんと 手がかりや伏線が置かれているのが「本格」的。 加えて練達な筆致に、一読、巻を措く能わず、で一気に読了。 それにしても、この人の文章は美しい。 詩的で情緒纏綿たる描写とはこのこと。 文学の香り高い本格物として稀有な作品、と思う。◆「桔梗の宿」 死体が握ってい...

懲りない男と反省しない女 (中公文庫)


渡辺淳一
¥ 580 在庫あり。
★★★★

懲りない男と反省しない女 ...
さすが渡辺せんせい、経験に裏打ちされた男と女の 違いがよくわかっています。 男と女はちがうものだということを理解しないと 先には進んで行けないとおもいます。 理解できないということを認識しているかどうか が大事なことだと思います。幼稚な内容です。反省しない、懲りない、は、幼稚な性質で、女の違いではないです。ただ単に幼稚さを男女おのおのにあてはめてるに過ぎない。 文章が幼稚で、当然、内容も幼稚です。 面白いだけで、購入する価値はないです。借りるか立ち読みで十分です。男女の違いを解いた本 と思って、読んで欲しくはないですw すっごく楽しい!! 渡辺先生のかなり主観の入った男性論が 痛快に走り抜けます 笑 ですが、それがなんとも いい♪ これ程、恋愛を自由にとらえられたのは 先生の時代には タブーとされてきたでしょう だからこそ、含蓄のある言葉が次から次へと出てきて 妙に納得させられるのでした。 自分がもし、先生と対談したならば 恋愛論で、勝てるだろうか? いや、まず無理ですね・・どちらが良い悪いではないですが、生まれ持っての性質がかなり異なるので。 まあ、お互いすれ違...

これだけ違う男と女 (中公文庫)


渡辺淳一
¥ 660 通常4〜6日以内に発送
★★★

これだけ違う男と女 (中公...
「失楽園」や「愛の流刑地」の著者である渡辺淳一が、主に夫婦間の問題を中心とした女性の不満や疑問に「男と女は別の生物と言える程に違うのだから、まずは相手を受け入れて理解しよう」と説いている。 アシスタントやゲストの女性と渡辺淳一の会話形式で書かれているので活字が苦手な人にも読みやすいと思う。特に浮気や不倫について紳士に掘り下げているので、現在または過去に経験のある方や、不倫したいけど踏み込みきれないと言う方には面白く読めると思う。 逆に、「浮気も不倫もあり得ないし許せない」という方は不愉快になるかもしれない。けれどもそういう人こそが読むべき本でもある。なぜならそう言う人は人への理解が乏しいからである。と、言ってもわかってもらえないだろう。けれども渡辺淳一のアドバイスにはパートナーを上手くコントロールするヒントがある。ただ、同じような本は多々ある。そのどれとも大体の所は変わらない。そして共通して「人は一人だけを一生愛し続けることは難しい」と説いている。

光と影 (文春文庫)


渡辺淳一
¥ 590 在庫あり。
★★★★

光と影 (文春文庫)
渡辺淳一の初期作品は患者をmaterialと見なし冷徹に観賞している。 軍医の気まぐれで一人はアンプタし(切断し)、もう一人は腕を残した。 そして腕がある凡人が陸軍内で栄達し、アンプタされた非凡な青年は単なる事務員としての生涯を終えている。当時の医学水準を鑑みればアンプタがスタンダードであって、感染症の問題を考えれば徒に腕を残すわけには行かないわけである。だが気まぐれで腕を残された凡人が、腕のない優秀な人間の何倍も光の射す路を歩く。文字通り人生など偶然の産物でこの青年二人はたまたま軍医の気まぐれで路が別れたが、誰の人生も気まぐれで左右される霧のようなものであろう。

シャトウルージュ (文春文庫)


渡辺淳一
¥ 740 在庫あり。
★★★★

シャトウルージュ (文春文...
約10年以上前に沖縄の離島で読んだ作者の化身〈上〉 (講談社文庫)以来の 渡辺作品読破でした。なので、まだ失楽園 上 岩波文庫 赤 206-2も愛の流刑地〈上〉 (幻冬舎文庫)も 読んでいません、初心者です(映像の方も見ていない)。 しかし、読破を難儀させる、この執拗さ、しつこさ、になかなかてこずりましたが どういう結末になるんだろう?と、とても楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。 カレッス(快擦)の描写はアダム徳永氏のスローセックス実践入門――真実の愛を育むために (講談社+α新書)を 彷彿とさせました。 パーティの場面は、叶恭子さんの叶恭子・トリオリズムのよう(笑)。 しかし…主人公の情けないコト…こんな幼稚な性交しかできないんじゃ 女もイヤになるわな〜と思ってしまうし、 「更に衝撃の映像が送られてきた」みたいなコトが書いてあるので どんな調教か?!と思うと、これで衝撃かい!!みたいな感じ。 主人公はただただお粗末な感じですが、月子からの最後のメールは面白かったし この程度で打ちのめされて傷ついてるんじゃないよ!!と思ってしまう(苦笑)。 あと、結婚したら好きなだけ...

遠き落日〈下〉 (集英社文庫)


渡辺淳一
¥ 630 在庫あり。
★★★★★

遠き落日〈下〉 (集英社文...
野口英世がアメリカで成功を収め、日本に凱旋帰国し母親のシカに親孝行するところは感動しました。また海外に出てからの野口英世について考察も含め詳しく書かれており、大変野口英世に興味を持つことができました。

白い宴 (角川文庫 緑 307ー4)


渡辺淳一
¥ 483¥ 1¥ 1
★★★★

白い宴 (角川文庫 緑 3...
札幌の心臓移植事件をバッシングしたおかげで日本の心臓移植分野は他国に40年の遅れをとり、その差は年々広がり続けております。 その元凶とも言える悪書『小説・心臓移植』を今さら改題、加筆、再出版して、一体何のメリットがあるのでしょう? 長年の医療バッシングが祟って医療崩壊が始まったことに対する出版界のアリバイ工作としか思えません。「医者だってこんなに悪いんだぞ」というアピールでしょう。 考えると虚しくなります。「心臓移植」を題材にした、ドキュメント風の小説。昭和43年8月、札幌医科大学の和田元教授により、わが国最初の心臓移植手術が行われた。当時のわが国は人間の死を「心臓死」としており、世間に与えた衝撃の大きさは想像に難くない。執筆当時、著者の渡辺淳一氏は同大学附属病院の医師であり、一般の人よりも手術の関係者に近い存在だった。一医師の立場で客観的に雑誌などのインタビューに答え、それを題材にしたこの小説を発表した。世間に正確な医学知識を伝えようとした著者の振る舞いは、「和田手術」批判とも受け取られた。渡辺氏は大学をやめ、作家へ転身した。「脳死」が認知されていない時代に、人間の死期はいつ...

遠き落日〈上〉 (集英社文庫)


渡辺淳一
¥ 600 在庫あり。
★★★★★

遠き落日〈上〉 (集英社文...
遠き落日は文庫本に成る以前、文芸誌「野生時代」に、掲載された渡辺淳一氏の伝記小説である。もちろん、単行本になった時も、文庫本になった時も購入してしまった。恋愛小説あるいは、男女の揺れ動く心を描く事を得意とする作家が、この人物の姿をを是ほど深い余韻を持って見事に書くとは思わなかった。渡辺淳一氏は、シュテファン・ツワイクを超える作家かも知れない。それ故、単純な投稿者は、真面目に作家渡辺淳一先生の他の小説を含めた伝記小説を読む事になった。 野口清作は、貧しさと火傷による身体障害をバネとして、貧しい寒村から医者を目指して果敢な努力と燃える様な情熱で、明治という時代の一つの象徴的な偉人伝の人物である。野口英世は、小学校の図書室には必ず有る本だ。偉くなりたいと言う一心で、清作は努力した。勿論、その素質も十分にあった。しかし、ここに描かれている様な浪費癖は、読むまであまり知らなかった。恐らく、著者も書かれているような幼少期からの貧困がその原因であったろう。「金を持っていると不安になって使わずには居られない」、およそ貯金する等という事は金持ちのする方法であって、清作のような、子供時代から極端に貧し...

恋文 (新潮文庫)


連城三紀彦
¥ 420¥ 1
★★★★★

恋文 (新潮文庫)
どこにでも居そうなのに、やたら凄い人がいる。 何が凄いのかとその人の軌跡を考えるが、どれもが普通なことばかりなのに、 一人の人間として考えると、どうしようもなく凄いとしか思えない。 または、表情や仕草の所々にきめ細かさがあり、 あの時のその人の目配せはこうゆうことだったのかと、後になって気づかされる人もいる。 この作品はどれもがそう言った深みを漂わせた物語で、 バラバラの形をしたピースを前に小首を傾げながらも、後になると、その形しかあり得ないと思わせほど、 見事な断片がはめ込まれた一枚の絵を見て、思わず舌を巻いて唸りすらしてしまうのだ。 読み進めるうちに、読み手は何度も騙され、目を見開きながらページを繰る。 ただのトリックだけに終始せず、男と女の心の襞が何度も見え隠れし、 それらが作品の仕掛けを色濃く彩色する様は、何度読んでも飽きないだろう。 表題作の「恋文」が、まさかアレを指しているとは思いもしないし、 「私の叔父さん」で出てくる写真に、そんな意味があるとはと感慨もひとしおだ。 直木賞の選評でほぼ全ての銓衡員が、諸手を挙げて受賞に賛成したのは確かだと、 しみじみ思えて...

花埋み (新潮文庫)


渡辺淳一
¥ 780 在庫あり。
★★★★★

花埋み (新潮文庫)
名作である。本書だけで渡辺淳一の名前は現代文学史に残す価値がある。 明治時代に生きた荻野吟子の生涯を書いた小説であり、著者の女性を描く描写が冴えている。 男尊女卑著しい時代に、女医一号となった苦闘は、抑制の効いた筆で如何なく書かれている。 無理解な世間に伍していく力は目をみはる程の強さ。 明治が産んだ女傑と片付けるにはもったいない。 本書から多くの事柄を学ぶことが出来る。 苦闘の前半史から栄光、そして不遇の後半史。後作の『遠き落日』の骨格ともいうべき作品。 読んで良かった。 日本で初めての女医で、日本で初めての女性啓蒙活動家である荻野吟子。しかし、私もこの本を読むまで彼女の事を知りませんでした。津田塾の創設者「津田梅子」、東京女子医大の創設者「吉岡弥生」、共立学園の創設者のひとり「鳩山春子」これらの女性達と同じかそれ以上の実績を残している荻野吟子が何故、後世に名を残せていないかというと、それは彼女の結婚に原因があります。詳しくは本書を読んでのお楽しみですが…。後世の歴史を知っている我々にとっては非常に惜しいことに感じますが、彼女にとっては一番幸せな時期だったのかもしれま...

化粧(下) (講談社文庫)


渡辺淳一
¥ 900 在庫あり。
★★★

化粧(下) (講談社文庫)
結末がなんだかあっさりしていて拍子抜けでした。 そのため、上巻からの次を期待する気持ちがどんどん膨らんでいった結果「あれ??」とういうような感じになってしまいました。